Mindのソースコードをコンパイルしたり出来上がったプログラムを実行するのは通常、Windows環境であればコマンド プロンプトを開いてその中でキーボードからコマンド与えるスタイルでおこなっていくのですが、その方法とは別に、GUI環境でコンパイルと実行確認をおこなえるごく簡単なツールを用意しています。
Mind WorkBench (プログラム: mindwb.exe)というものです。
- 注
- Mind WorkBench は一つ前のバージョンのMindでTcl/Tkライブラリにリンクして作成されています
作業ディレクトリ
起動して最初に確認したいのは最下段のステータスバー左側の「ディレクトリ:」という欄です。これは、これからコンパイルしたり実行したりする作業ディレクトリを示します。
Mind WorkBenchをインストールした直後は「lessen」というディレクトリが表示されていますが、ここをクリックすることで複数の候補から選ぶことができます。

候補となる作業ディレクトリは自動的に判断されますが、よく使いそうなディレクトリとして sample¥、 lesson¥ の二つがあります。Mind WorkBenchは、もし lesson¥ が存在すればそれを、無ければ sample¥ を起動時の作業ディレクトリとします。
(lesson¥ はMind WorkBenchのパッケージに含まれるもので、標準の Mind パッケージには有りません)
以下の説明はとりあえず作業ディレクトリがデフォルトの lesson¥ であるとして進めます。
ライブラリ
次に、同じく下段ステータスバーの右側ですが、「ライブラリ:」という欄があります。デフォルトで「lib¥filewb」と表示されています。これはコンパイル時にリンクする先のライブラリを選択するものです。
とりあえず当面はこのままで良いです。もし変更する場合はここをクリックすると次のように候補が表示されます。
- 注
- Mind でコンパイルする際の標準的なライブラリは file ですが、WorkBench Version 1.1 以降、アプリケーション中での「文字列入力」の実行をサポートする仕組みから、Mind WorkBench配下でコンパイルする場合には標準ライブラリとして filewb を選びます。
同じ理由で socketlib に対しては socketlibwb を選びます。もし作成するプログラムが「文字列入力」を使わないのなら、従来通り file を選んでも構いません。
ファイル‥開く
次に、上段メニューバーの左端「ファイル‥」をクリックしてください。サブメニューが表示されたら「開く」をクリックします。
次のようなファイル選択ダイアログが開きます。
(作業ディレクトリの中にあるMindソースファイルの一覧を表示し、選択するものです)
上記のように、初期状態では lesson¥ ディレクトリ内にはMindソースファイルは1つのみ、
hello.src というファイルがあります。これを選択してから「開く」ボタンを押してください。なお、この hello.src は sample¥ ディレクトリ内にあるものとまったく同じですが、lesson¥ ディレクトリ内であれば気軽に内容を変更して試せます。
「開く」ボタンを押すと主画面は次のようになります。

上記のように、画面上段(ソースファイルの表示領域)に hello.src の内容が表示されました。
コンパイル&実行
次に、このソースファイルをコンパイルしてみます。メニューバーの「コンパイル&実行」ボタンを押します。次のようになります。

上記のように、画面下段にコンパイルの様子と実行結果が表示されます。
わざと文法エラーにする
次に、わざとソースコードを間違った内容にしてみます。
ソース表示領域内はマウスでポイントしたりキーボードからテキストを入力することができます。
編集操作はメニューバーの「編集」-「コピー」なども使えますが、ほかにマウス右クリックのメニューから「コピー」を選んだり、キーボードショートカットで Ctrl-C など、Windows標準操作が使えます。
ソース内容の「表示して」の箇所をマウスクリックして文字を削除・入力し、わざと次のように誤った内容にします。
上の状態で「コンパイル&実行」ボタンを押してみます。以下のような結果になります。

上記のように、コンパイルはエラーとなり、また同時に、エラー内容(hello.infファイルの内容)が画面下段に表示されます。この表示を読めば、何のエラーがあったが分るので、それに従ってソースを訂正できます。
わざとエラーになるよう訂正した部分はここで再び訂正し、元に戻し、改めて「コンパイル&実行」をかけておいてください。
( 「ひょうじして」 → 「表示して」 に訂正したあと「コンパイル&実行」ボタン)
コンパイルだけ・実行だけをおこなう
まず、画面下段のコンパイル・実行結果の領域ですが、いままで何回か実験をおこなったので表示が多くなっているので表示領域をクリアしてみます。メニューバーの「表示」-「実行ウィンドゥクリア」をクリックするとクリアできます。
次にメニューバーの「コンパイル」ボタンでコンパイルだけおこなってみてください(実行はおこないません)。
次にメニューバーの「実行のみ」ボタンで実行だけおこなってみてください。ここではわざと2度続けて実行してみます。
新規ソースファイルと起動引数付き実行
メニューバーの「ファイル」-「新規作成」をクリックします。作成するソースファイルを尋ねるダイアログが開きます。

上記のように、ファイル名記入欄に「文字列比較」と入力して「保存」をクリックしてください。
Mind WorkBench はサイズゼロの新しいソースファイル "
文字列比較.src" を生成し次のような主画面となります。

ソース表示領域は空ですが上記のように、タイトルバーに
文字列比較.src と表示されているので分ります。
ここでソース表示領域に、キーボードから次のようなソースコードを入力してください。
メインとは
起動引数(1)と 起動引数(2)が 大文字/小文字を問わず等しい文字列
ならば 「同じ」を
さもなければ
「違う」を
つぎに
一行表示すること。
画面は次のようになります。

次いで、「コンパイルのみ」ボタンを押してコンパイルだけをおこないます。次のようになります。

最後に実行します。このプログラムはデータを起動引数から与えるものなので、「起動引数付き実行」ボタンを使って実行します。次のように起動引数を尋ねてくるので「abcd ABCD」と入力します。第1引数が「abcd」で第2引数が「ABCD」という意味になります。

ダイアログを抜けると実行されます。
外部のエディタを使う
ソースコードを作成したり修正するのに、Mind WorkBench の編集機能を使うだけでなく、外部のテキストエディタを使うこともできます。メニューバーの「編集」-「エディタ起動」を使います。
(デフォルトでは Windows標準装備のメモ帳(notepad)が使われます)

Mind WorkBench がエディタを起動するとき、ソースファイル名を渡しており、そのソースファイルを編集することになります。

エディタによる作成・修正をおこなった後はエディタソフト内で「上書き保存」してください(エディタは起動したままで構い居ません)。
編集内容がソースファイルに反映され、それをMind WorkBenchが自動検出してソースウィンドゥにも反映します。
そのあと、Mind WorkBenchの画面で「コンパイル&実行」、「コンパイルのみ」ボタンを押せばコンパイルできます。
Mind WorkBenchが起動する前からエディタが立ち上がっている‥などの理由で、ソース表示領域への自動反映がされない場合は、「編集」-「ソースファイル再読み込み」ボタンを押すことで反映できます。
メモ帳ではなく、好みのテキストエディタを使いたい場合には、
pmind¥binw¥editorname.txt というファイルをエディタで訂正してください。(デフォルトで notepad.exe が記入されていますが好みのエディタに変更できます)
以上.